【2022年版|陸上5000m練習メニュー】疲れない走り方フォームを完全解説 | 陸上トレーニングスクール  

【2022年版|陸上5000m練習メニュー】疲れない走り方フォームを完全解説

長距離種目の中でも5000mは非常に過酷です。

スピードレベルもある程度高く、持続的にエネルギーを消費するスピード持久力が必要になります。

また、多くの高校や大学では5000mの持ちタイムで駅伝メンバーを決める場合がほとんどです。

冬のシーズンで駅伝メンバーを狙っている選手は、5000mを練習しておく必要があります。

14分台や15分台、16分台、17分台を目指している選手は是非、練習メニューを参考にして、疲れない走り方やフォームを習得してください。

トラックのシーズンも駅伝のシーズンも1年間通して、活躍できる種目が5000mです。

きつい種目ではありますが、やりがいが非常に大きいです。

今回は目標タイム別に練習するときのペースも設定しました。

自分のコンディションに合わせて、オリジナルメニューを作りましょう!

【陸上5000m】本番で自己ベストを出すための3つの練習ポイント

遅筋線維・速筋線維のミトコンドリアの性能

大量の酸素をエネルギーに変えて走り切る5000mではミトコンドリアが重要になります。

ミトコンドリアは呼吸によって細胞が取り込んだ酸素を使って、細胞のエネルギーとなるATP(アデノシン三リン酸)を生産しています。

有酸素性のエネルギー供給を体内で多く活用する5000mの種目では、酸素を利用して糖質や脂肪をエネルギーに換えるミトコンドリアの存在も重要視されます。

ミトコンドリアを詳しく解説します。

筋肉細胞内にある小器官で、生命活動や運動時に欠かせないエネルギー源、ATPを生み出す役割を担っています。

このミトコンドリアのサイズが大きいほど、数が多いほど、より多くのエネルギーを生み出し、パワーに変換できるため5000mを走る選手にとっては有利に働きます。

ミトコンドリアのサイズを大きくして数を増やすためには、有酸素性トレーニングも無酸素性トレーニングもどちらも並行して行うことが効果的です。

距離走(ペースラン)やLSDといったジョグ系トレーニングの場合は遅筋線維内のミトコンドリアの活性化に効果的です。

また、ショートインターバル走やレペティションといったスピード系トレーニング及び短距離トレーニングの場合は速筋繊維内のミトコンドリアの活性化に期待できます。

最大酸素摂取量(VO2MAX)によるエネルギー変換効率

ランニング中には酸素を消費してエネルギーを生み出します。

これはヘモグロビンが血中で酸素を運搬しているおかげです。

そして、最大酸素摂取量とは、体内に酸素を取り込むことができる最大量を指します。

5000mは糖(糖質)を利用してエネルギーを生み出す解糖系のエネルギー供給と、酸素を利用してエネルギーを生み出す有酸素性のエネルギー供給の両方を活用します。

そのため、体内により多くの酸素を取り込むことができれば、走るためのより多くのエネルギーを生産することが可能になります。

そして、大きなエネルギーを扱うことができるようになり5000mのタイムを向上させることが期待できます。

また、最大酸素摂取量が向上すると、有酸素性のエネルギー供給の利用割合が増加して、解糖系で利用される糖を節約することができます。

つまり、糖質ローディング(グリコーゲンローディング)が十分にできていなくても、有酸素性のエネルギーでカバーできます。

それによって、レース後半でも解糖系を利用してギアチェンジが可能になります。

最大酸素摂取量を高めるためには、長めの距離走やLSDといった有酸素性トレーニングはもちろんのこと、特に強度の高いインターバルトレーニングやショートダッシュなどが効果的と考えられています。

乳酸性作業閾値(LT値)の向上に伴う持久能力

長時間のランニングを続けるとガクッとペースが下がる瞬間があります。

それが「乳酸が出る」という表現の起源です。

長距離種目を走る選手は乳酸性作業閾値(LT値)を向上させることで、持久力が上がりタイムの短縮に大きく貢献します。

乳酸性作業閾値とは、血中乳酸値が急上昇するポイントのことを指します。

私たちが走る時、スローペースでジョギングする場合は酸素を利用してエネルギーを生み出す有酸素性エネルギー供給を利用しますが、5000mのように速いペースで走る場合は、有酸素性エネルギー供給と、糖を利用しエネルギーを生み出す解糖系というエネルギー供給も多く利用します。

有酸素性はエネルギーを長く生み出すことができます。

しかし、エネルギー自体はあまり大きくなくありません。

速いペースで走る場合は即効性が高く、エネルギーが大きい解糖系を多く活用します。

スピードレースになればなるほど、LT値の耐久性が必要になります。

そして、その解糖系の場合は大きいエネルギーを生み出し、速いスピードで走ることができますが、乳酸を産生するという大きなデメリットがあります。

血中の乳酸割合が多くなると、筋肉の収縮力が低下し、速いスピードを長く維持することが困難になります。

短距離走では400mのラスト100mでガクッと足が止まってしまうのは、この乳酸が関係しています。

5000mの場合でも、自分のスピードレベル以上のオーバーペースで前半走ってしまうと、血中に乳酸が蓄積してペースが落ちてしまいます。

乳酸はスタートの段階でもエネルギーの生産過程によって産生されていますが、LT値に到達するまでは運動能力に差ほど変化を与えません。

産生された乳酸は、「産生される乳酸<分解処理される乳酸」というように、走りはじめは産生よりも分解処理が上回るため、レースに影響への影響は少ないのです。

しかし、ペースが速くなったり、レース後半になったりすると、「産生される乳酸>分解処理される乳酸」となり、血液中の乳酸が増加し続け、急に足が止まってしまうポイントがやってきます。

それが乳酸性作業閾値(LT値)です。

このLT値は日々の練習で、発生するポイントを遅らせることができます。

つまり、LT値を向上させることができれば、今のペースでも楽に走ることができます。

そして、スピード持久力も向上させることができます。

陸上競技5000m専門の練習メニュー

①ペース走(ペーラン)

ペース走は8000~12000mがオススメです。

普段のレースより長い距離を走って、5000mに慣れておきましょう。

5000mのタイムを縮める上で重要な練習となるのはペース走です。

ペース走は設定した距離を一定ペースで走り続ける練習で、5000mのスピード持久力に重要な練習です。

つまりペース走が5000mの練習で大きな効果を発揮する主な理由は、乳酸性作業閾値(LT値)の向上に大きく貢献するからです。

血中の乳酸が急上昇し始めるLT値ポイント付近のペースで走ることによって、乳酸の分解処理能力が高まりLT値の限界を鍛えることができます。

ペース走によってLT値が向上すれば、「ややきつい」と感じるペースが、以前よりも速いペースで走れるようになります。

5000mの場合、最初の3000mを以前よりも楽に、より速いペースで走れるようになるためにペース走を利用します。

下記は目標タイム別通過タイムです。

 タイム 8km 10km 12km
15:00 3:22/km 3:26/km 3:28/km
15:30 3:27/km 3:31/km 3:33/km
16:00 3:32/km 3:36/km 3:38/km
16:30 3:37/km 3:41/km 3:43/km
17:00 3:42/km 3:46/km 3:48/km
17:30 3:47/km 3:51/km 3:53/km
18:00 3:52/km 3:56/km 4:58/km
18:30 3:57/km 4:01/km 4:03/km
19:00 4:02/km 4:06/km 4:08/km
19:30 4:07/km 4:11/km 4:13/km
20:00 4:12/km 4:16/km 4:17/km

5000mのペース走は8000~12000mの距離が一般的です。

ペース設定はLT値の向上を目的とするため、自分のLT値付近のペースで走ることが重要と考えられています。

また、実際に走ってみてペースが速く最後まで同じペースで走れないような場合はペースを下げてみましょう。

逆にペースが楽に感じる場合はペースを上げて、追い込みをかけてください。

②ジョグ

ジョグは50~70分が目安となります。

5000mを取り組み始めて、長距離種目選手全員の基本練習となるのがジョグです。

この練習は5000m選手の基本能力となる有酸素運動能力を磨くことができます。

酸素を使って糖質と脂質を分解し、運動エネルギーを生み出す有酸素運動力を鍛えることで、長い距離を走り続けるスタミナを鍛えることができます。

5000m選手の基礎基本練習であり、5000m初心者にオススメの練習メニューです。

ジョグはスタミナをつける意味合い以外にも、ランニングフォームの修正や強度の高いトレーニング(ポイント練習)を行った翌日のリカバリー目的としても効果的です。

また、休日明けのウォームアップ練習や、リフレッシュするための練習など、様々なシーンで使える万能な練習です。

5000mの場合は50~70分程度のジョグがおすすめです。

ペースは自分のレベルに合わせ4分~5分程度で設定すると良いでしょう。

苦にならない程度のスピードで大丈夫です。

③ビルドアップ走

ビルドアップ走はスピードレベルの限界値を高めるトレーニングとなります。

ペース走と違って、段階的にペースを引き上げていくビルドアップ走もLT値の向上に効果的な練習でもあります。

また、ビルドアップ走は後半になるにつれてペースを上げていくため、5000mのレース後半にバテない強さやラストスパートを掛ける勝負強さにも影響してきます。

下記はビルドアップ走の参考ペースです。

 タイム 最初の1km 最後の1km
15:00 3:42 3:01
15:30 3:47 3:06
16:00 3:52 3:11
16:30 3:57 3:16
17:00 4:02 3:21
17:30 4:07 3:26
18:00 4:12 3:31
18:30 4:17 3:36
19:00 4:22 3:41
19:30 4:27 3:46
20:00 4:32 3:51

徐々にスピードを上げていくビルドアップ走をする場合もペース走同様に距離は8000~12000mがおすすめです。

タイム設定はペース走のペースを基にするのが一般的です。

持ちタイム15分00秒の選手が9000mのペース走を1000mごとにタイムを引き上げる設定で実施する場合、ペース走のタイム設定(約3分20秒)を軸に、最初の入りは余裕を持って走るため+20秒の3分40秒、最後はペース走よりも速いペースの-20秒の3分00秒に設定することが基本です。

1000mごとに5秒ペースを引き上げていきます。

徐々にペースを上げていき、自分の限界スピードに挑戦してみましょう。

④ロングインターバル

5000mでは長い時間、高出力で走り続けます。

そして、速いペースで走り続けると、酸素エネルギーではエネルギー供給が追い付かなくなります。

だから糖質をエネルギーとする解糖系の割合が多くなり、乳酸の産生が多くなります。

乳酸の産生が多くなると、筋肉の収縮力の低下により、急激なペースダウンが起こります。

日々のトレーニングでは、この乳酸に耐えるための乳酸の分解処理能力を高めることが重要だと考えられています。

この能力を高めるために効果を発揮するのがインターバルトレーニングです。

実際のレースペースと同等、またはレースペースよりも速いタイムで走るインターバルトレーニングはエネルギーを生み出す際に解糖系の割合が多くなり、乳酸の産生量も多くなります。

だからインターバルトレーニングを繰り返すことで、乳酸を除去する能力を高めることができるのです。

ロングインターバルでは、より速いペースを長く維持できるようになります。

 タイム レースペース 設定タイム
15:00 3:00 2:56~3:01
15:30 3:06 3:01~3:06
16:00 3:12 3:06~3:11
16:30 3:18 3:11~3:16
17:00 3:24 3:21~3:26
17:30 3:30 3:26~3:31
18:00 3:36 3:31~3:36
18:30 3:42 3:36~3:41
19:00 3:48 3:41~3:46
19:30 3:54 3:46~3:51
20:00 4:00 3:56~4:01

上記の設定タイムはしっかり守れるようにしましょう。

インターバルトレーニングは主にロングインターバルとショートインターバルの2種類あります。

ロングインターバルとしては5000mの場合、1000mx5本(rest:400Mjog)という練習メニューがおすすめです。

目標タイムで5000mインターバルを5本を実施することで、自分の実力が分かります。

⑤ショートインターバル

短距離走でスピードレベルを上げていきましょう。

ロングインターバル走よりも距離が短いショートインターバルはスピード強化に強く推奨します。

特に5000mのタイムに伸び悩んでいる選手は、ショートインターバルを積極的に実施することで、スピードレベルの限界値を向上させて、伸び悩みを打破することが期待できます。

距離が長い場合(ロングインターバル)は遅筋繊維を動員するため遅筋繊維のミトコンドリアを活性に効果的です。

一方、速筋線維の動員はあまり期待できず、速筋線維のミトコンドリアの活性にはつながりません。

距離の短い場合は速筋線維を動員することができるので、速筋線維のミトコンドリアを活性を実現して、スピードレベル強化につながります。

 タイム 200mx10 300mx10 400mx10
15:00 35 53 71
15:30 37 55 73
16:00 38 57 75
16:30 39 58 77
17:00 40 59 79
17:30 41 61 81
18:00 42 63 83
18:30 43 65 85
19:00 44 67 87
19:30 45 69 89
20:00 46 71 91

短距離走の練習に似ているショートインターバルはロングインターバルよりも速いペースに設定です。

走る距離は5000mの場合、400mが一般的ですが、スピードレベルの限界値を向上させるために200mや300mといった距離設定もおすすめです。

距離が短くなればなるほど、走るペースが速くなるためスピードを効果的に上げることができます。

⑥スピードレペティション

5000mを専門としている選手は400mや600m、1000mを中心としたスピードレペティションがオススメです。

走り終わってからjogで非完全休養を取るインターバルトレーニングと違って、スピードレペティションは走り終わってから完全休養を取り、しっかり疲労が抜けた状態で再び走り出すのがスピードレペティショントレーニングです。

レペティショントレーニングの基本は1本1本を疲労が抜けた状態で、速く走ることができるため、スピードレベルの強化に効果的です。

ショートインターバル同様に、スピードレペティションは1本1本のペースが非常に速く、速筋線維のミトコンドリアを動員したトレーニングとしておすすめしています。

速筋繊維内のミトコンドリアを活性化させ、ラストスパートのスプリント勝負ができるようになります。

5000m選手のレペティショントレーニングは600mx8本、1000mx7本がおすすめです。

600mはより速筋線維を動員して、スピード強化に最適です。

また、レースペースより速いタイムで走るため、筋肉内にたくさん乳酸が発生します。

強度の高い無酸素性トレーニングである、スピードレペティションを行うことで、乳酸の処理能力が高まり、速いスピードを長く持続できるようになるのです。

⑦距離走

持久力を鍛えるために、距離を踏むことを目的としたトレーニングが距離走になります。

長い距離・長い時間走り続ける距離走は、有酸素運動能力を磨くのに効果的な練習です。

5000mの場合、糖(糖質)を利用してエネルギーを生み出す解糖系のエネルギー供給だけでは長く走ることは難しいです。

それは身体に蓄積できる糖質に限界があるからです。

長く走るためには、長くエネルギーを生み出し続けられる有酸素性のエネルギー供給が重要です。

有酸素性のエネルギー供給は酸素を使って糖質や脂質を分解し、エネルギーを生み出す方法です。

距離走はこの有酸素性エネルギー供給を向上させるのに効果的だと考えられています。

また、脂質を利用する能力が高まれば、レース後半でもバテないで走り続けられます。

5000m選手の距離走は10~16kmの距離がおすすめです。

1500mのタイムは自信があるけど、5000mは思うようなタイムが出ないという場合は、距離走を積極的に取り入れて、5000mという距離に慣れましょう。

距離走は普段のジョグよりは速いペースで設定します。

またペース走よりは遅いペースでリズムを大切に走ることが重要です。

⑧LSD(ロングスローディスタンス)

リフレッシュを目的として、ゆっくりと時間をかけて長い距離を走るトレーニングがLSD(ロングスローディスタンス)です。

リラックスしてリズムを感じながら非常にゆったりとしたペースで走ることによって、基礎的な持久力をつけることができます。

遅筋線維に刺激を入れて、遅筋線維のミトコドリアを活性化させることで、より多くのエネルギーを生産する能力を高められることができます。

その結果、持久力のアップにつながります。

LSDは、持久性に優れた脚力を鍛え上げて、有酸素運動能力の強化し、遅筋繊維の発達等の基礎能力の向上が期待できるため、陸上長距離種目の初心者にもおすすめの練習です。

LSDをする場合は、普段のペース走やjogよりも遅いペースで走るのが基本です。

遅いペースで走ることで、接地時間を長くして、しっかり地面を押すための持久力系の脚力、酸素を運搬する毛細血管の発達等の成長が期待できます。

普段のジョグのペースが4:00~5:00程度なら、LSDは5:30~で行います。

ジョグペースが5:00~6:00なら、LSDは6:30~です。

また、5000mのLSDは100~130分がおすすめなので、リフレッシュや走り方フォーム改善に役立ててください。

陸上競技5000m選手の1週間の練習メニュー

①鍛錬期(冬季練習)

レベルアップを目的とした1週間の練習メニューです。

曜日 メニュー例
ジョグ60分
ロングインターバル1000m×7
ペース走8000m
LSD or レスト
ショートインターバル200×10~15
ビルドアップ走300m×10
レスト

②シーズン中

コンディショニングを目的とした1週間の練習メニューです。

曜日 メニュー例
ジョグ50分
ロングインターバル1600m×4
ショートインターバル400m×8
LSD or レスト
スピードレペティション600m×7
ペース走1000m×4~5
レスト

③調整

試合前調整を目的とした1週間の練習メニューです。

曜日 メニュー例
LSD
ジョグ60分
スピードレペティション1000m×3
レスト
ジョグ50分
試合5000m
レスト