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【フォーム分析】100m9.95日本最高記録山縣亮太選手はなぜ速いのか?

日本陸上界の大スター山縣亮太選手です。素早いピッチとコンパクトで洗練された走りが印象的なトップスプリンター。広島県広島市出身で修道高等学校から慶応義塾大学に進学し、現在はプロのアスリートとして活躍しています。

幼少期からスポーツに注力しており、サッカーと野球、陸上競技を掛け持ちしていたほどです。身体能力の高さは様々なスポーツ経験から来ているのかもしれません。身長は177cm体重74kgで柔軟な筋肉を兼ね備えるマルチパワースプリンターです。

100mではオリンピック日本最高記録を保持していて、自己ベストは100m9.95(+2.0)、200m20.41(-0.5)という素晴らしい記録を持っています。

2021布勢スプリント 【Original】山縣亮太 Ryota Yamagata Men 100m Final 9.95 (+ 2.0)  Japan national record 日本新記録

2017全実 男子100m決勝 山縣亮太10.00(+0.2) 大会新

山縣亮太選手の走り方を分析

スタートの構え

山縣亮太選手のスタートの特徴は腰の位置が変わらないことです。ピストルがなって跳び出した瞬間に腰が浮いたり、沈んだりすることがありません。常に一定の位置をキープしています。

腰の上下動を抑えて、無駄な消費エネルギーを使わないようにしています。よって脚の回転軌道に遠回りが無いのです。腰から前に動き出す日本人にとって理想的なスタートです。

またセットした膝の角度も後ろ足が150度、前足が90度です。前足重心で倒れ込むようなスタートができます。このポジションが山縣亮太選手の爆発的なスタートダッシュに関係しているでしょう。

スタートの反応

1歩目が異常に速いです。腰の位置が上下していないので、脚の軌道に遠回りがありません。また低い位置で膝をスライドさせるように加速するので、1歩1歩を高ピッチで回転させ、加速運動に繋げています。

踏み込んだ瞬間も斜め45度に跳び込むように走っているので、上半身が浮いて、加速がストップすることがありません。低い重心を転がすように加速していくフォームが特徴です。

腕振りを非常にコンパクトにきざんでいるので、腕に連動して、脚も高速回転しています。

一次加速(スタートダッシュ)






スタートダッシュで付けたスピードを効率的に一次加速に繋げています。その理由は脚の回収スピードです。スタート局面で省エネかつコンパクトに跳び出しているので、エネルギーを加速区間から中間疾走に使えます。

山縣亮太選手の走りでは40mくらいまでの長い加速区間でトップスピードを段階的に上げています。そのためピッチもストライドも後半にいくにつれて、向上していきます。

常に後ろ足で地面を押す感覚を持っているようで、前足より地面に着いた脚に意識をしています。

二次加速(スタートダッシュ)

加速局面で大切なことはオーバーストライドにならないことです。オーバーストライドは歩幅を広げようとして脚で距離を稼ぐことを指します。そうすると、腰が後ろに残って、進行方向とは逆のエネルギーが働きます。

山縣亮太選手はストライドを伸ばし過ぎないように、膝下の動きをセーブしています。膝下の自由度が高いとストライドは伸びますが、腰の位置が落ちてしまいます。また、オーバーストライド状態ではハムストリングスの負担も大きくエネルギーロスが生まれます。

大切なことは適正な接地ポジションで地面を捉えることです。最も地面からの反発をもらえる位置を探ってみましょう。

中間疾走

「熱い鉄板を素足で走るイメージ」が重要だと山縣亮太選手は言います。つまり、中間疾走では接地時間を短くするということです。軸が固まっていれば、接地したときに反発するように身体が前に進みます。

この瞬間に軸が潰れている(腰が落ちたり膝が曲がったりすること)と接地時間が長くなり、地面と接している時間が長くなります。陸上競技は滞空している瞬間に進むので、地面にいる時間はなるべく減らしたいですね。

接地したときに軸を作り、リズムで走っていくことがポイントです。

減速区間

減速区間でも後ろ足のリカバリーはできています。身体より後ろの動作が小さく、前の動作が大きい証拠です。この時に遊脚の踵をお尻まで近づけているので、最短距離を通て脚を回収できています。

減速区間では脚が流れて、回収動作が遅れがちですが、スプリントフォームを修正して脚の軌道を最適化してますね。この要因としてはコンパクトな腕振りが挙げられます。

腕振りが小さいと脚の動き自体も速くなります。上半身の動きが下半身に伝わり、走り出すのです。肘を基点にリラックスして素早い腕振りが後半のノビに繋がっているのでしょう。

ゴール前(トルソーフィニッシュ)






ゴール時に軸足で押し込むようにしてフィニッシュしています。これは非常に大切なことです。多くの選手はトルソーするために極限まで前傾して、脚が流れるような軌道になってしまっています。

しかし、ゴール局面での減速は禁物です。胸を前に突き出すのではなく、丁寧に脚をさばいて、地面を押し込むようにゴールしましょう。

リズム良くリラックスできたフォームで駆け抜けることがベストタイムを出す要因です。

まとめ

山縣亮太選手のランニングフォームはコンパクトで力強い、まさに日本のスプリンターを代表する走りです。特にスタート局面では、骨盤(脚の付け根)からの動き出しが意識されています。

そして、ポイントに置いている瞬間はスタート時の僧帽筋です。肩甲骨回りの筋肉を引き上げた際に、腰から起動します。脚の付け根から動き出すことで、上から乗り込むイメージが鮮明になります。

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