マラソンランナーは毎日のように長距離トレーニングを積みます。
その中でスポーツドリンクは必須アイテムです。
以前はスポーツドリンクといえば夏の飲み物、運動、熱中症というイメージでした。
今は季節やシチュエーションを問わず、水分補給のために日常的に飲まれています。
一昔前はスポーツ中にドリンクを飲んではいけないという風潮もあったようです。
しかし、現代のスポーツ医学ではのどの渇きを感じる前に、スポーツドリンクを飲む必要があるとされています。
最近リモートワークやリモート授業・講義が定着してからは、自宅での長時間の作業・学習でも水分補給の必要とされています。
ライフスタイルの中でスポーツドリンクを飲む機会は今後増えていくことでしょう。
そこでスポーツドリンクの選び方のポイントや飲み方、タイミングなどをご紹介していきます。
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この記事の目次
スポーツドリンクとは
近年、進化を続けているスポーツドリンクの基本成分は、塩分と糖分です。
日本スポーツ協会では、0.1~0.2%の食塩(ナトリウム40~80mg/100mL)と糖質を含んだスポーツ飲料を推奨しています。
運動中に水(ミネラルウォーター)だけを大量に飲むと体内の電解質バランスが崩れてしまうので、汗とともに失われた電解質を補うために塩分は必要不可欠です。
電解質(イオン)とは、水に溶けると電気を通す物質のことを指します。
電解質は水中(体内)では電気を帯びたイオンになり、電気を通すようになります。
この電解質は、細胞の浸透圧を調節して、筋肉細胞や神経細胞の働きに関わるなど、身体にとって重要な役割を果たしています。
電解質は少なすぎても多すぎても細胞や臓器・内臓の機能が低下し、パフォーマンスを下げたり、命に関わることが起きたりします。
だからと言って、スポーツドリンクを大量に飲みすぎると、塩分の過剰摂取は高血圧だけでなく、胃がんなどの要因ともされており注意が必要です。
いっぽう糖分はエネルギーを補うだけでなく、塩分と一緒に摂ることで水分の吸収を速めてくれます。
しかし過剰な糖分は血糖値や肥満に悪影響を与えるので、やはり注意が必要です。つまりスポーツドリンクを選ぶということは非常に難しいです。
スポーツドリンクを飲むタイミングと量
スポーツドリンクを飲むのにおすすめのタイミングを紹介します。
また1度の摂取では100~200mlが理想です。一気に飲んでしまうと吸収できないからです。
・運動・スポーツ:高温下や屋外でなくても運動により発汗します。現代は屋内スポーツでの熱中症も多くみられます。運動の合間にこまめな水分補給をしましょう。
・高温高湿下での作業:温度だけでなく湿度にも注意が必要です。湿度が高いと蒸し暑く感じて気分が悪くなったりめまい起こしたりする症状に襲われます。
・長時間の在宅:快適な室内でも長時間の作業や学習では、呼気でも身体中の水分は奪われていきます。適度な水分補給が必要です。
・入浴前後:入浴により約500mLの水分が失われると言われています。入浴前と入浴後に水分を摂るのも良いでしょう。
・起床時:寝ている間には呼気と身体を回復させるために大量の汗をかきます。そのため起床時は身体中の水分量が枯渇した状態なので水分補給を推奨しています。
・二日酔い:飲酒後の脱水症状や低血糖状態になるので、寝る前と起床時にスポーツドリンクは有効です。
【初心者向け】自分に合うスポーツドリンクの選び方
スポーツドリンクは2種類あります。
人間の体液(血液や粘液など)とほぼ同じ浸透圧の「アイソトニック飲料」と、それよりも糖質の濃度が薄く、浸透圧の低い「ハイポトニック飲料」です。
1.スポーツ前の水分補給はアイソトニックタイプ
スポーツ前の摂取をオススメするアイソトニックは「等張液」を意味します。
体液に近い浸透圧となるように作られているので、枯渇している体に必要な水分・糖質・塩分がバランスよく吸収されます。
ライフスタイル・日常生活の様々な場面で、効率的に水分補給をするのに広くおすすめできます。脱水症状は自分が知らないうちに起きてしまいます。
のどが渇いてなくてもこまめな水分補給が重要です。
運動による熱中症の予防についても、日本体育協会は「1時間以上の運動をする場合には、4~8%程度の糖質を含んだものが疲労の予防だけでなく水分補給効果にも役立ちます」と提唱しています。
2.スポーツ中とスポーツ後の水分補給はハイポトニックタイプ
スポーツ中とスポーツ後の摂取をオススメするハイポトニックは「低張液」を意味します。
糖質の濃度が4%未満で、浸透圧は体液よりも低いとされています。
激しいスポーツ(サッカーやラグビーなど)による多量の発汗で、体に残っている体液が薄くなっている時は、ハイポトニック飲料の方が腸管での水分吸収が速くなるので、運動中や運動直後の水分補給に最適といえます。
また糖質濃度が低めで、中にはゼロカロリー商品もあるので、ダイエットや糖質制限をされている方にもオススメです。
しかし、スポーツ前にハイポトニック飲料を飲んでもエネルギーにならないので、スポーツ前はアイソトニック飲料にしましょう。