「子どもの背が低いのはカルシウム不足のせい?」
「カルシウムのサプリメントってどうやって選んだらいい?」
スポーツを頑張る子どものお母さんは、子どもと他の子どもの身長差に悩むことがあり、カルシウムを補うためにサプリメントを考える方もいます。
しかし、サプリメントを選ぶ前に、スポーツとカルシウムの関係、身長が伸びるメカニズム、そしてカルシウムがどのような役割を持つのかを理解することが大切です。
適切な知識を持ってサプリメントを活用することで、子どもの健やかな成長を支えることができます。
本記事では、スポーツとカルシウムの関係を解説しながら、子どもの身長を伸ばす方法、カルシウムの役割・1日の摂取量についても解説します。
あわせて、子どものサプリメントの選び方も紹介しますので、ぜひチェックしてください。
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この記事の目次
スポーツをするとカルシウムが失われやすい
スポーツをする子どもは、スポーツをしない子どもよりもカルシウムが失われやすい傾向にあります。
なぜかというと、スポーツをする子どもは汗をかく機会が多く、その汗にはカルシウムが含まれているからです。
1Lの汗で失われるカルシウムは約21~78mgといわれています。
そのため、スポーツをする子どものために、積極的にカルシウムをとれるようにすることが大切です。
汗をたくさんかくスポーツは、陸上競技やサッカー、バスケットボール、水泳、テニスやバトミントン、柔道などが挙げられます。
短時間で激しく動く、持続的にエネルギーを使う、体を大きく動かすといったスポーツは、汗をたくさんかくためカルシウムが失われやすいです。
子どもの身長が伸びる仕組み
子どもの身長は、骨が成長することで伸びます。
骨の成長には、「成長ホルモン」「骨をつくる細胞の活性化」「骨をつくる栄養」の3つが大きく関わっています。
成長ホルモンは、深い睡眠中にたくさん分泌され、睡眠が浅いと分泌されにくくなるため、ぐっすり眠れるような環境を整えることが大切です。
熟睡できる環境をつくるには、寝る1時間~2時間前からスマホやテレビを控えて、照明を暗くすることが有効です。
また、睡眠中は電気を消して光を入れないこと、静かな環境にすることで質の高い睡眠を得られます。
昼寝は疲れをとるためによいことですが、眠り過ぎると夜に熟睡できなくなります。
そのため、子どもが昼寝をしている時は、30分程度で起こすとよいでしょう。
骨をつくる細胞を活性化させるためには、食事からとる栄養が大切です。
骨をつくる栄養には、たんぱく質やカルシウム、ビタミン、マグネシウムなどの栄養があります。
そして、スポーツをすると骨に刺激を与えられるため、骨をつくる細胞が活性化しやすいです。
成長に欠かせないカルシウム
上で説明したように、骨をつくるカルシウムは、子どもの成長に欠かせない栄養素です。
ここでは、カルシウムについてさらに詳しく解説します。
カルシウムの役割
体にあるカルシウムの99%は骨や歯にあり、カルシウムは骨や歯の密度を高くしています。
丈夫な骨にする役割があるため、「カルシウムは骨を強くする」と言われるのです
残りの1%は、出血を抑える、心臓が動くのをサポートする、筋肉の興奮を抑える、さらには脳の神経細胞の活動にも関わっています。
その1%のカルシウムが少なくなった時には、体の機能を維持するために、骨にあるカルシウムから供給されます。
つまり、体の中に十分なカルシウムがないと、骨にあるカルシウムはどんどん減っていくため、成長にも影響することになります。
カルシウムの1日摂取量
カルシウムの1日の摂取量を、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」から紹介します。
表の項目にある、推定平均必要量は全体の半分の子どもが必要量を満たす量、推奨量はほとんどの子どもが必要量を満たす量です。
子どもの年齢と体重から参考にしてください。
<男の子>
年齢(歳) | 参照体重(㎏) | 推定平均必要量(mg/日) | 推奨量(mg/日) |
6~7 | 22.2 | 487 | 585 |
8~9 | 28.0 | 538 | 645 |
10~11 | 35.6 | 590 | 708 |
12~14 | 49.0 | 826 | 991 |
<女の子>
年齢(歳) | 参照体重(㎏) | 推定平均必要量(mg/日) | 推奨量(mg/日) |
6~7 | 21.9 | 448 | 538 |
8~9 | 27.4 | 625 | 750 |
10~11 | 36.3 | 610 | 732 |
12~14 | 47.5 | 677 | 812 |
なお、上記のカルシウム量は運動の程度が考慮されていないため、スポーツをする子どもは、さらに多くのカルシウムが必要であるといえます。
カルシウム不足になると起きること
子どもがカルシウム不足になると、以下のような症状が起きるケースがあります。
- 成長スピードが遅くなる
- 骨や歯がもろくなる
- 足がつりやすくなる
- イライラする
- 集中力が低下する
成長スピードが遅くなることは、体のあらゆる部位や、身長にも影響するといえます。
骨がもろくなるとケガをしやすい体になりやすいため、スポーツをする子どもにとってケガは避けたいものです。
意外に思われるかもしれませんが、カルシウムはイライラや集中力にも関係があるため、スポーツのパフォーマンスを向上させるためにも、十分な量をとることが大切です。
さらに、成長期のカルシウム不足は、将来骨粗しょう症のリスクを上げるともいわれています。
カルシウムをとるためにサプリメントを使ってOK
子どもの成長に欠かせないカルシウムをとるために、サプリメントを使ってもよいです。
ただし、3食しっかりとった上で、サプリメントで補うようにしましょう。
ここでは、食事で取り入れたいカルシウムが多く含まれる食べ物と、サプリメントを取り入れる注意点を紹介します。
カルシウムが多く含まれる食べ物
カルシウムは、乳製品や野菜類、海藻、小魚、大豆製品に多く含まれています。
カルシウムが多くとれる食品とカルシウムが含まれる量を、農林水産省の「カルシウムが多くとれる食品」から紹介します。
なお、カルシウムは体内に吸収されづらい栄養素のひとつでもあります。
カルシウムが多く含まれる乳製品でも40~50%、野菜や海藻、小魚からでも20~30%しか吸収されないといわれています。
そこで注目されているのがビタミンDです。
カルシウムはビタミンDと一緒にとると、腸からのカルシウム吸収をサポートしてくれます。
ビタミンDは、魚介類に最も多く含まれており、他にはきのこ類、卵にも含まれています。
サプリメントに頼りすぎないよう注意
サプリメントでカルシウムをとれるからといって、サプリメントに頼り過ぎないように注意しましょう。
なぜなら、成長にはカルシウムだけでないあらゆる栄養素が必要であり、食事にはさまざまな栄養素が含まれているからです。
そして、サプリメントに頼りすぎると、子どもの食に対する興味・関心が薄くなり、健康的な生活を送れなくなるおそれがあります。
「食を楽しむ」という子どもの経験のためにも、食事をとることは大切です。
また、1日の目安量以上のサプリメントを与えないように注意しましょう。
サプリメントを与えすぎると過剰なカルシウム量になり、他のミネラルの吸収が阻害されたり、泌尿器系に結石ができたりといったことが起きるおそれがあります。
サプリメントの選び方
ここからは、カルシウムを補うためのサプリメントの選び方を紹介します。
子どものサプリメントを選ぶ際に、ぜひ参考にしてください。
栄養機能食品
サプリメントを選ぶ際は、パッケージに「栄養機能食品」と記載されているものを選びましょう。
栄養機能食品とは、ミネラル類やビタミン類など、国が定めた基準値に合っている食品のことです。
栄養機能食品のサプリメントは、1日あたりの目安量、目安量あたりの栄養成分量が表示されています。
そのため、サプリメントによって補えるカルシウム量が明確にわかります。
一方、栄養機能食品と記載されていないサプリメントは、カルシウムやその他の成分量が記載されていないため、おすすめしません。
対象年齢
サプリメントには対象年齢が決まっているため、子どもの年齢に適したものを選びましょう。
大人用のサプリメントは、大人の体に合わせてつくられているため、与えてはいけません。子どもが大人用のサプリメントをとると、体に悪い影響を及ぼすおそれがあります。
カルシウム以外の栄養成分
サプリメントの種類によって、カルシウム以外の栄養成分が含まれています。
カルシウムは吸収しづらい栄養素のため、吸収をサポートするビタミンDも含まれているサプリメントがおすすめです。
また、鉄や亜鉛不足を感じる子どもには、鉄や亜鉛を含むサプリメントを検討してもよいでしょう。
鉄や亜鉛は、基本的には食事からとれる栄養素ですが、偏った食事や食事量が少ないと不足がちになります。
これらが不足していると、貧血気味になったり、情緒が不安定になったりということが起こるといわれています。
他にも、ビタミンや乳酸菌が含まれているサプリメントもあるので、子どもに合わせて選びましょう。
アレルギー成分の有無
サプリメントには、乳成分やゼラチンなどが含まれているものもあります。
サプリメントに含まれる栄養素や風味、またサプリメントを加工するにあたって、アレルギーを起こす可能性のある成分が含まれていることがあります。
子どもによってアレルギーの有無、アレルギーを発症する食品は異なるため、購入前にしっかりチェックをしましょう。
食べやすい風味
子どもがとるサプリメントなので、食べやすい風味であることも大切です。
食べやすくないと、子どもがサプリメントを嫌になり、必要なカルシウムを補えません。
サプリメントにはヨーグルト味やぶどう味があるので、子どもの好きな風味を選びましょう。
チュアブルタイプのサプリメントだと、おやつ感覚で食べやすいです。
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効果的にサプリメントを取り入れてカルシウム不足を補おう
たくさん汗をかく機会が多いスポーツを頑張る子どもは、カルシウムが失われやすい傾向にあります。
子どもの身長を伸ばすためには、成長ホルモンを促せるような質のよい睡眠と、骨を活性化・骨をつくるもとになる栄養が大切です。
栄養の中でも、カルシウムは骨の密度を高くする栄養素で、子どもの成長に欠かせません。
不足しやすいカルシウムをとるために、記事で紹介したカルシウムを多く含む食品を取り入れ、3食しっかり食べることが大切です。
そして、子どもに合ったサプリメントでカルシウムを補うことによって、健やかな成長をサポートできるでしょう。