陸上競技には短距離走種目として100m200m400mが存在します。どの種目も極めるためには非常に長い年月が必要です。どのスポーツにも共通していますが、競技力を向上させるために必要な要素は『指導者(コーチ)』と『練習内容(トレーニングメニュー)』です。この両方が自身にマッチしないとなかなか結果には結びつかないです。短距離走は競技としてはシンプルですが奥が深い種目です。そのために微妙な走りの変化に気がつける指導者と己のフィジカルとテクニックとメンタルを鍛える正しい練習メニューが必要です。この記事では短距離走種目(100m200m400m)の選手が行うべき導入期3月のトレーニングについて解説していきます。
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この記事の目次
【導入期】3月の練習メニューの目的とは
3月になると少しずつ気候が温かくなり、記録会が開催されるようになります。3月の練習メニューは実戦形式のトレーニングを行います。試合を想定した本数やタイム設定、ウォーミングアップ方法などを模索していきます。またスピードを徐々に上げていき、冬季練習で積み上げてきた量を質へと変換する時期でもあります。しかし3月4月は最も怪我の多い時期です。肉離れや筋収縮、筋膜炎などが過度な負荷によって起こりやすいです。そのためトレーニングをする前には十分なストレッチ運動や股関節周りのダイナミックストレッチを入念に行う必要があります。3月ではスピードトレーニングを実戦形式で行い、レースの感覚を取り戻すことが目的となります。
3月の短距離走専門おすすめ練習メニュー3選
①マーク走
マーク走は中間疾走区間に等間隔のマーカーを接地して、ピッチとスタライドを強化するトレーニングです。スタートからの40m付近から10台程度マーカーを接地します。男子では180~210cm間隔、女子では150~170cm間隔で行うことをオススメします。ピッチアップやストライドの最大化を狙う練習ができます。
②ウェーブ走
スピードに緩急をつけた練習です。100mで考えると30m加速20m維持30m加速20m維持です。200mで考えると50m加速50m維持50m加速50m維持となります。レース展開に上手く順応するための技術練習です。また最大スピードの向上も狙うことができる練習内容です。
③タイムトライアル
実践を想定したトレーニングです。各中学校や各高校、各大学ではタイムテーブルを設けて、学内記録会として行う場合もあります。タイムトライアルを行うことで、自分の課題を知ることができたり、試合のイメージを模索することができます。自分のコンディションに合わせて、種目を決定してタイムトライアルしてみましょう。
3月の短距離走専門の実例トレーニングメニュー
1 日 ・完全休養
2 日 ・2000mジョグ ・ストレッチ
3 日 ・ハードルドリル ・ミニハードル動き作り ・タイムトライアル 300m&200m ・120m×3
4 日 ・完全休養
5 日 ・ハードルドリル ・ミニハードル動き作り ・スタートダッシュ 40m×5 ・200m×6 ・300m ・立ち 5 段跳び
6 日 ・ウエイト(クリーン、ベンチ、スクワット+マシーンウエイト) ・120m×3
7 日 ・スプリントドリル ・タイムトライアル 200m
8 日 ・ハードルドリル ・ミニハードル動き作り ・スタートダッシュ 40m×3 ・100m×16 ・300m ・立ち 5 段跳び
9 日 ・ハードルドリル ・坂ダッシュ 80m×3 ・坂ダッシュ 100m×3 ・坂ダッシュ 150m×1 ・バーベル(スキップ、2 ステップ、ハイニー) ・100m×6
10 日 ・完全休養
11 日 ・ハードルドリル ・ミニハードル動き作り ・坂ダッシュ 80m×5 ・坂ダッシュ 100m×5 ・スキップダッシュ ・腹筋 300 回 ・80m×10
12 日 ・ハードルドリル ・スプリントドリル ・200m×4 ・200m×3 ・500m ・サーキットトレーニング ・120m×3
13 日 ・スプリントドリル ・スタートダッシュ 40m×3 ・タイムトライアル 300m ・200m×3×2 ・ウエイト(クリーン、ベンチ、スクワット) ・水泳
14 日 ・完全休養
15 日 ・ハードルドリル ・スタートダッシュ 60m×5 ・タイムトライアル加速 10m+300m ・タイムトライアル加速 10m+200m ・サーキットトレーニング
16 日 ・ハードルドリル ・スタートダッシュ 30m×5 ・400m×2 ・タイムトライアル加速 10m+100m×2 ・300m ・サーキットトレーニング
17 日 ・完全休養
18 日 ・ハードルドリル ・スプリントドリル ・スタートダッシュ 40m×3 ・100m×12
19 日 ・スプリントドリル ・タイムトライアル 200m ・300m
20 日 ・完全休養
21 日 ・スプリントドリル ・サーキットトレーニング
22 日 ・ハードルドリル ・ミニハードル動き作り ・スタートダッシュ 60m×3 ・100m×12 ・300m
23 日 ・ハードルドリル ・坂ダッシュ 80m×5 ・坂ダッシュ 100m×3 ・坂ダッシュ 150m×1 ・バーベル(スキップ、2 ステップ、ハイニー)
24 日 ・ウエイトマックス測定(クリーン、ベンチ、スクワット) ・150m×3
25 日 ・ラダー ・300m+250m+200m+150m+100m ・150m×3 ・腹筋 300 回
26 日 ・完全休養
27 日 ・完全休養
28 日 ・完全休養
29 日 ・ハードルドリル ・ミニハードル動き作り ・スタートダッシュ 40m×3 ・100m×8 ・300m ・ハードルジャンプ
30 日 ・完全休養
31 日 ・ウエイト 90%ピラミッド方式(クリーン、ベンチ、スクワット) ・ハードルジャンプ ・100m×5
まとめ
3月はシーズンの導入期期間です。スピードやレース感覚を養うためのスパンと言えるでしょう。その反面、非常に怪我の多い時期となります。急なスピード練習や高負荷トレーニングは避けるようにして、徐々に体を作るようにしてください。実りがあるシーズンを迎えるためにも3月は陸上競技短距離走の中で重要な期間と言えるでしょう。