短距離走(100m200m400m)の冬季練習は非常に過酷できついです。ウィンターシーズンは駅伝や長距離記録会が多く、短距離走や跳躍、投擲、混成種目の大会は行われません。どうしても冬場は筋肉が温まりにくいので十分なパフォーマンスを発揮できないからです。
だから短距離走のオフシーズンでは強度の高いトレーニングを繰り返して、基礎体力や走り方を洗練させる期間となります。それが冬季練習なのです。
この冬季練習を乗り越えることによって大幅な自己ベスト更新を狙います。この記事では12月の練習メニューを分かりやすく解説していきます。
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この記事の目次
冬季練習の目的とは
12月の目的は基礎体力の向上です。短距離走はおおよそ10月末でシーズンを終えます。そこから体を休めたりリフレッシュしたりする移行期(11月)を経過させます。つまり12月は本格的に冬季練習を始めるうえでの最初の月となります。
シーズン中にフル稼働した体を回復させてからトレーニングに打ち込むといった流れですね。
基礎体力の向上を狙うためには100~200mの本数系、150mのインターバルトレーニング、30~100mの坂ダッシュ、ウエイトトレーニングが有効と考えられています。12月では翌年の1月や2月でしっかりと走り込める体作りが重要です。
陸上短距離走12月の冬季練習メニュー
12月の冬季練習の目的はとにかく基礎体力で、走りの地盤を固めることです。この土台がしっかりしていないと翌年の1月と2月で強度の高いトレーニングが積めなくなってしまいます。この12月で体作りができる体を作ります。
第一週目(150mのテンポ走で走りのリズムを掴む)
冬季練習ではテンポ走が有効です。走り込みをする前に自分の走りのリズムを確認して、一定のスピード感で走り切る能力は、レース後半に活きてきます。多くの失速原因は「ピッチダウン」です。テンポ走で自分の走りのリズムを確かめながら取り組みましょう。
1日
ハードルドリル
テンポ走150m×4×2
ショートダッシュ
2日
サーキットトレーニング
坂ダッシュ30m×5 60m×5
ハードルジャンプ
3日
ウエイトトレーニング(クリーン、ベンチ、スクワット)
流し100m×3
補強
4日
オフ
5日
ハードルドリル
テンポ走150m×3×3
ショートダッシュ
6日
ミニハードル
マーク走100m×3×3
100mバウンディング×3
7日
オフ
第二週目(200mのテンポ走で走りのリズムを掴む)
テンポ走の距離を長くすることによって耐乳酸能力を高めていきます。200mという距離は100mにも400mにも活かされてきます。競技特性に左右されることなく、200mのトレーニングは活用できるのです。
8日
ハードルドリル
テンポ走200m×4×2
ショートダッシュ
9日
サーキットトレーニング
坂ダッシュ30m×5 60m×5
ダイナマックス
10日
ウエイトトレーニング(クリーン、ベンチ、スクワット)
流し100m×3
補強
11日
オフ
12日
ハードルドリル
テンポ走200m×3×3
ショートダッシュ
13日
ミニハードル
マーク走100m×3×3
100mバウンディング×3
14日
オフ
第三週目(100mシャトル走で心肺機能を高める)
シャトル走とは60秒間でレストを統一して走り続けるトレーニングです。例えば、スタートして100mを15秒で走ったらレストは45秒となります。このように往復して走り続けることによって、心肺機能を高める練習です。冬季練習では走り込むための体が必要です。そのためのシャトル走だと考えてください。
15日
ハードルドリル
シャトル走100m×6×3
補強
16日
サーキットトレーニング
坂ダッシュ30m×5 60m×5 坂バウンディング60m×3
ダイナマックス
17日
ウエイトトレーニング(クリーン、ベンチ、スクワット)
流し100m×3
補強
18日
オフ
19日
ハードルドリル
シャトル走100m×6×3
ハードルジャンプ
20日
ミニハードル
マーク走100m×3×3
100mバウンディング×3
21日
オフ
第四週目(本数系に挑戦してみる)
本数系トレーニングとは7~12本程度の本数をウォークや7分程度でレストを繋いで走り込むトレーニングです。徐々に体力が削られていくので、後半はかなりきつい練習となります。その中で、ポイントを意識して走り切るように心がけましょう。
22日
ハードルドリル
150m×10
補強
23日
サーキットトレーニング
坂ダッシュ30m×5 60m×5 坂バウンディング60m×3
チューブ補強
ダイナマックス
24日
ウエイトトレーニング(クリーン、ベンチ、スクワット)
流し100m×3
補強
25日
オフ
26日
ハードルドリル
200m×7
ハードルジャンプ
27日
ミニハードル
マーク走100m×3×3
100mバウンディング×3
28日
オフ
第五週目(回復して次月に疲労を残さない)
筋肉は回復することで成長していきます。常にトレーニングしていても、筋繊維は細くなって痩せてしまします。つまり、トレーニングしてからしっかり体を回復させないと、練習の意味がありません。この週ではしっかり休息をとって、次月に疲労を残さないようにします。
29日
オフ
30日
1000mジョグ
ストレッチ
31日
オフ
12月の到達目標
12月では翌年の1月と2月でしっかり追い込める体を作るための準備期間です。到達目標としては冬季練習のメニューに慣れて、プラスアルファできるまでの体を作りましょう。
そのために走りのリズムを整えたり、軽い耐乳酸トレーニングを行ったり、心肺トレーニングを行いました。
これらのトレーニングの間に基礎的なパワーを向上させるサーキットトレーニングや走り方を矯正するマーク走などを行います。
まとめ
12月は陸上短距離走の冬季練習において、重要な位置づけです。強度の高い練習を積むためにも、ここで土台を作っておきましょう。
今回は100m200m400mの選手が共通して取り組める内容の12月冬季練習をご紹介しました。ぜひ参考にして、来シーズンに自己ベストを更新してください!!