中学生や高校生は筋肉に発達が著しく、成長期と言われています。そして、その期間にガッツリ練習を積むことで更なる競技力の向上が狙えます。
短距離走(100m200m400m)の冬季練習は非常に過酷できついです。ウィンターシーズンは駅伝や長距離記録会が多く、短距離走や跳躍、投擲、混成種目の大会は行われません。
どうしても冬場は筋肉が温まりにくいので十分なパフォーマンスを発揮できないからです。つまり、この時期は体を鍛えるのに、持って来いのスパンなのです。
だから短距離走のオフシーズンでは強度の高いトレーニングを繰り返して、基礎体力や走り方を洗練させる期間となります。それが冬季練習なのです。
この冬季練習を乗り越えることによって大幅な自己ベスト更新を狙います。この記事では1月の練習メニューを分かりやすく丁寧に解説していきます。
大きな自信とともにシーズンインしたいですね。
新常識!全国のスポーツキッズの頼もしい味方『12才までのカルシウム効果forジュニアアスリート』
この記事の目次
冬季練習の目的とは
1月の目的は走り込みと自力アップです。短距離走はおおよそ10月末でシーズンを終えます。そこから体を休めたりリフレッシュしたりする移行期(11月)を経過させます。そして12月に入り、冬季練習がスタートします。1月は本格的に冬季練習で走り込む期間となります。
シーズン中にフル稼働した体を回復させてから、12月の基礎体力と心肺機能アップを経て、本格的な走り込みスパンとなります。
走り込みメニューについては150~300mの本数系、200mのビルドアップ走、200mのインターバル走、30~100mの坂ダッシュ、ウエイトトレーニングが有効と考えられています。12月で走り込むための体を作り上げていると仮定して、練習メニューを紹介していきます。
陸上短距離走1月の冬季練習メニュー
1月の冬季練習の目的は走り込みで、走りの精度アップを目指すことです。ポイントや課題を持って走り込むことでスプリントフォームを修正することができます。
また乳酸が発生してからの過酷な状況で走り続けることで耐乳酸能力が向上して、ラストスパートも走り切ることができるようになります。
第一週目(200mのビルドアップ走で走りのリズムを上げていく)
冬季練習ではビルドアップ走を取り入れることが多いです。例えば200mを5本走るとしたら1本目を30秒、2本目を29秒、3本目を28秒と設定タイムを下げていきます。走り込みをする前に自分の走りのリズムとタイムを確認して、設定タイムのスピード感で走り切る能力を高めます。
このトレーニングはレース後半に活きてきます。多くの失速原因は「ピッチダウン」です。ビルドアップ走で自分の走りのリズムを確かめながら取り組みましょう。
1日
ハードルドリル
ビルドアップ走200m×5×2
ショートダッシュ
2日
サーキットトレーニング
坂ダッシュ60m×7 60m×5
ハードルジャンプ
3日
ウエイトトレーニング(クリーン、ベンチ、スクワット)
流し100m×3
補強
4日
オフ
5日
ハードルドリル
ビルドアップ走200m×5×2
ショートダッシュ
6日
ミニハードル
マーク走100m×3×3
100mバウンディング×3
7日
オフ
第二週目(200mの本数系を通しでやってみる)
200mの本数系を通しで行うことによって耐乳酸能力を高めていきます。200m10~15本をウォークレストで連続して行います。本数系を連続して行い、トレーニングに対する集中力も養います。
短距離走において200mという距離は100mにも400mにも活かされてきます。競技特性に左右されることなく、200mのトレーニングは活用できるので、非常に便利です。
8日
ハードルドリル
200m×10
ショートダッシュ
9日
サーキットトレーニング
坂ダッシュ60m×7 60m×5
ダイナマックス
ハードルジャンプ
10日
ウエイトトレーニング(クリーン、ベンチ、スクワット)
流し100m×3
補強
プライオメトリック
11日
オフ
12日
ハードルドリル
200m×10
ショートダッシュ
13日
ミニハードル
マーク走100m×3×3
100mバウンディング×3
14日
オフ
第三週目(200mのビルドアップ走で設定タイムを追い込む)
第一週目に行ったビルドアップ走のトレーニングです。第三週目では設定タイムを下げて、スピード感を上げた状態で行います。
例えば200mを5本走るとしたら1本目を28秒、2本目を27秒、3本目を26秒と設定タイムを第一週目より下げていきます。このように走り続けることによって、心肺機能を高めて、より強度の高い練習ができるようになります。
冬季練習では走り込むことが主として考えられます。しっかり走りの精度を上げていきましょう。
15日
ハードルドリル
ビルドアップ走200m×5×2
補強
立ち五段跳び 立ち幅跳び
16日
サーキットトレーニング
坂ダッシュ30m×5 60m×5 坂バウンディング60m×5
ダイナマックス
17日
ウエイトトレーニング(クリーン、ベンチ、スクワット)
流し100m×3
補強
プライオメトリック
18日
オフ
19日
ハードルドリル
ビルドアップ走200m×5×2
ハードルジャンプ
立ち五段跳び 立ち幅跳び
20日
ミニハードル
マーク走100m×3×3
100mバウンディング×3
21日
オフ
第四週目(250mのインターバル走に挑戦してみる)
インターバル走とは5~10本程度の本数を設定レストタイムで繋いで走り込むトレーニングです。本数を重ねるごとに徐々に体力が削られていくので、後半はかなりきつい練習となります。
レストタイム中は基本的にウォークです。また設定タイムを作って、練習の強度を調整しましょう。その中で、ポイントを意識して走り切るように心がけるのがインターバル走です。
22日
ハードルドリル
インターバル走200m×6×2
補強
ダイナマックス
23日
サーキットトレーニング
坂ダッシュ30m×5 60m×5 80m×3 坂バウンディング60m×5
チューブ補強
階段ケンケン
24日
ウエイトトレーニング(クリーン、ベンチ、スクワット)
流し100m×3
補強
60mホッピング×3
25日
オフ
26日
ハードルドリル
インターバル走250m×4×2
ハードルジャンプ
27日
ミニハードル
マーク走100m×3×3
100mバウンディング×3
28日
オフ
第五週目(回復して次月に疲労を残さない)
1月は走り込みを中心に行ってきたので、疲労がピークに達していると考えられます。積極的な休養が求められます。
筋肉は回復することで成長していきます。常にトレーニングしていても、筋繊維は細くなって痩せてしまいます。トレーニングは筋肉を破壊する行為だと覚えておきましょう。
つまり、トレーニングしてからしっかり体を回復させないと、練習の意味がありません。この週ではしっかり休息をとって、次月に疲労を残さないようにします。来シーズンの幕開けが近づいてきましたね。
29日
オフ
30日
1000mジョグ
ストレッチ
31日
オフ
1月の到達目標
1月は、次月2月で激しい練習に耐える体を作るための期間です。到達目標としては冬季練習のメニューのポイントを押さえながら取り組むことです。
例えばビルドアップ走ではリズムとタイムを守って走り切ることや、走り込みの中で腕振りや足の軌道を意識してみることも良いと思います。そのために腕振りで走りのリズムを整えたり、足の軌道が流れる中で軽い耐乳酸トレーニングを行ったり、心配トレーニングを行ってきました。
これらのトレーニングの間に、身体能力の基礎的なパワーを向上させるサーキットトレーニングやピッチアップしたり足が後ろに流れないスプリントフォームを形成したりするマーク走などを行いました。
まとめ
1月は陸上短距離走の冬季練習において、非常に練習量が多く練習メニューにもバリエーションがあります。
強度の高い練習を積み上げて春先のシーズンでしっかり結果が出せる体を作りましょう。
今回は100m200m400mの選手が共通して取り組める内容の1月冬季練習メニューをご紹介しました。ぜひ参考にして、来シーズンに自己ベストを更新してください!!期待しています。