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『今だけでいいから駆け抜ける勇気をください』39.意識と肉体について

オフにどうしたらいいのか分からない。

 

陸上競技者ならよくあることだろう。

 

そんな俺は今日もグランドに来ていた。

 

冬季練習の移行に入るのは、まだ1週間後だ。

 

それまでは身体を休めるのと1年間フルパワーで頑張ってくれたことに感謝する期間だ。

 

意識と肉体は同じようで、同じじゃない。

どれくらい違うかっていうと、他人くらい違う。

 

だから、怪我をする。

 

そうやって身体との対話を怠ってきた選手は腐るほどいるだろう。

 

ただ、どうしても結果を出したい場面や仲間からの応援が、その対話を邪魔する場合がある。

 

いや、自分との激論の末の判断かもしれない。

 

怪我をするときは、不注意を除いて、全て意識を越えようとする時だ。

 

その瞬間に出逢うたびに、特殊な高揚感を感じられる。

 

たぶん、競技者はその高揚感に怪我のリスクを感じて恐怖する反面、それを求めているのかもしれない。

 

信じたくないけど、俺からしてみれば事実だ。

 

学校が終わって、独りで河川敷のグランドに来ている。

 

いつも真波先生が河を観ているポジションに座る。

 

今日は練習つもりはサラサラ無いので、制服を着たままだ。

 

秋の風が心地よい気温を感じさせてくれる。

 

俺は陸上競技を高校に入ってどう変えられただろう?

陸上競技によって俺はどう変えられただろう?

 

1年前は脚の怪我を理由に、競技が嫌いになった。

 

今は楽しくてしょうがない。最高の仲間がいる。

 

俺は陸上競技への見方が180度変わった。そして、陸上競技によって人生が180度変わった。

 

高校入学時は前例が無かったから、どうやって部活を創ればいいかなんて知らなかった。

 

今では居場所のない場所に居場所ができた。

 

もう迷っていられない場所までみんなが連れてきてくれた。

 

河に小さな小石を投げ込む。

 

水面が弾けた。

 

雷管より100倍くらい鈍い音。

 

「これじゃスタートは切れないな」

グランド整備をするために立ち上がる。

 

最近は練習でグランドに来ていなかったから、石ころやくぼみがある。

 

次に練習が気持ちよくできるように、それら一つ一つを丁寧に整備する。

 

地面を平らにして、脚をくじいたり、接地の感覚を守ったりする。

 

この地味な作業が未来のスーパースターを輩出すると、本気で思っている。

 

まあこうやって掃除することが好きなだけだ。

 

少しずつ日が落ちるのが早くなってきたな。

 

「寒い、、、帰ろ。。。」

 

気付いたらグランドは完璧に整備されていた。

 

無我夢中でトンボをかけていた。

自転車にまたがり、ゆっくりとペダルに重さを加える。

 

来週から冬季練習移行期のスタートだ。

 

ゆっくりできるうちに身体を休めておこう。

 

今日はここまで。

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